痔

痔は日本人の3人に1人が悩む身近な病気です。症状は個人によって異なり、自覚症状がない場合や自己判断で放置してしまうこともあります。 症状が軽い段階で受診いただくと、薬のみで治療できたり、治療期間が短くなることがあります。適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。

イボが脱出せず、または脱出しても自然に戻る軽度の段階では、薬物療法（軟膏や坐薬など）とともに排便や生活習慣の改善指導が主な治療となります。
しかし、イボが自然に戻らなくなったり、出血がひどく貧血を引き起こす場合には手術が必要となることもあります。

外痔核の場合、手術が必要なケースはまれです。ほとんどの場合、軟膏や坐薬などの薬物療法とともに、排便や生活習慣の改善を促す保存療法によって症状の改善が期待できます。
手術が必要となるのは、薬物療法や保存療法によって症状が改善されない場合や、症状が重度で日常生活に支障をきたす場合です。

裂肛が発生した初期の浅い段階では、軟膏や坐薬に加えて便を軟らかくする薬の使用が有効であり、比較的短期間で完治することがあります。傷の慢性化を防ぐためには、同時に排便や生活習慣の改善も重要です。
一方、裂肛が慢性化してしまった場合には、手術が必要な場合があります。
手術の方法は、傷の程度や患者様の状態に応じて異なります。

痔ろうは、他の痔とは異なり、薬物療法や排便・生活習慣の改善だけでは効果が限定的であり、稀にがん化する可能性もあります。そのため、治療には手術が必要となります。
手術によって、痔ろうの管や膿瘍を切除し、感染や炎症を取り除きます。
手術方法は、症状や痔ろうの程度に応じて異なりますが、一般的には局所麻酔下で行われる外科的な手術が一般的です。
また、痔ろうの合併症や他の病気の可能性を排除するために、大腸カメラ検査などの検査が行われることがあります。
特にクローン病などの炎症性腸疾患の有無を確認します。