- 便秘とは
- 便秘の原因
- 便秘と痔との関係性
- 便秘の治療
- 下痢とは
- こんな症状があったらできるだけ早く受診してください
- 日常生活から考えられる原因
- 疾患の症状として下痢が現れているケース
- 下痢にならないために
便秘とは
慢性的な便秘は重要な問題であり、医療機関で適切な治療を受けることで再発を予防できます。便秘は一般的な症状ですが、大腸がんなどの重大な疾患の症状としても現れることがあります。
内科または消化器内科を受診し、原因疾患の有無を確認することをお勧めします。原因が特定されない場合は、薬物療法や生活習慣の見直しにより症状改善を目指します。
このような症状でお悩みでしたら当院へご相談ください
- 排便後も残便感がありスッキリしない
- 便が硬く、出しにくい
- 力を入れても排便が少量しか出ない
- 便意を感じない
- 薬の効果が薄れて内服量が増えた
- 便秘のせいで切れ痔やいぼ痔になった
- 便秘が続いている
- うさぎの糞のように、硬くて丸い小さい便が少ししか出ない
- 腹部に膨満感がある
- 長時間かけなければ排便できない
- 市販薬では便秘を改善できない
- 下痢が出なければ便秘が改善しない
など
便秘の原因
生活習慣の乱れによる運動不足や食物繊維不足などが便秘の原因となります。
また、便意の我慢や加齢による腸の機能低下も要因です。便秘が長引く場合は医療機関を受診し、原因を特定することが重要です。大腸カメラ検査は大腸の状態を確認し、重篤な疾患の有無を確かめることができます。
便秘と痔との関係性
痔の発症は強いいきみと関係があります。
便秘があるといきむことが癖になり、痔のリスクが高まります。
また、便秘による硬い便が肛門を傷つけ、切れ痔の発症も起こります。
切れ痔による痛みがあると便意を我慢し、便秘が悪化する恐れがあります。
便秘の治療
生活習慣の改善
食物繊維の種類と摂り方は便秘のタイプによって異なります。適切な水分摂取や生活習慣の改善も重要です。
運動は血行促進や筋力向上に効果的で、便通改善にも役立ちます。無理なく続けられる有酸素運動やストレッチを行いましょう。また、便意があったら我慢せずにすぐトイレへ行く、長くいきまないなどの排便習慣の改善も再発防止に効果的です。
薬物療法
便秘改善のために患者様に合わせた処方を行います。薬の効果や飲むタイミングを考慮し、スムーズな改善を目指します。
漢方や乳酸菌なども活用します。
下痢とは
下痢は、消化管に異常がある場合や感染症、食物中毒などの病気が原因となって発生します。
急性下痢の症状は突然の排便回数の増加と軟便で、慢性下痢の症状は2~3週間以上の持続です。発熱や血便が伴う場合は他の疾患を疑う必要がありますので、正確な診断のために医師の診察が必要です。
こんな症状があったらできるだけ早く受診してください
「発熱」「吐き気や嘔吐」「血便・粘血便」が伴う場合
このような症状が現れる場合、感染症や炎症性腸疾患などの病気の可能性があります。特にカンピロバクター腸炎では早めの対処が重要です。重篤な合併症のリスクがあるため、医師にご相談ください。
また、クローン病や潰瘍性大腸炎などの難病も同様の症状を引き起こすことがあります。
これらの病気では専門医の指導の下、適切な治療を受ける必要があります。
日常生活から考えられる原因
食べ過ぎ・飲み過ぎ・刺激が強い食品
食べ過ぎやアルコール・冷たい飲み物の過剰摂取は、腸の刺激や運動を促進し、水分の吸収が不十分となり下痢を引き起こす可能性があります。
食事や飲み物の摂取量や内容に注意し、適切な水分摂取とバランスの良い食事を心掛けましょう。
冷え
夏場に冷たい飲み物を過剰に摂取したり、長時間冷房の効いた部屋にいることで体が冷え、血流が減少することで、胃腸の機能が低下し、食べ物が適切に消化されず下痢になることがあります。
過度な冷たい飲み物の摂取や室温の調整に注意し、体を冷やし過ぎないように心がけましょう。
ストレス
ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、大腸の運動が過剰に活発になり、下痢が引き起こされることがあります。このようなストレスによる下痢は、機能性下痢と呼ばれ、検査でも特に異常が見つからないことが多いです。
過敏性腸症候群は、このような下痢が代表的な症状として知られています。
ストレスの軽減やリラックス法の実践、食事の改善などが緩和に役立つことがあります。
疾患の症状として下痢が
現れているケース
細菌やウイルス感染
夏は細菌が繁殖しやすく、細菌性の下痢が多くみられます。
一方、冬はウイルス性の下痢が多くなる傾向があります。
特にノロウイルスは冬に感染者が増え、年間で1万人以上が感染しているとされています。このようなウイルス性の下痢には、適切な予防策や衛生管理が重要です。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群はストレスにより自律神経が乱れ、大腸の運動が過剰に活発になり下痢が起こる病気です。
症状は長期間続くため、日常生活に支障をきたすこともありますが、命に関わるほどの重篤な病気ではありませんが、成人の約5人に1人がこの病気に悩んでおり、女性に多くみられます。
適切な治療や生活習慣の改善により、症状を軽減させることが可能です。
潰瘍性大腸炎・クローン病
潰瘍性大腸炎は、大腸の内側に潰瘍やびらんができる炎症性疾患で、完治させる方法はまだ見つかっていません。
クローン病とともに、指定難病とされています。日本では近年患者数が増え続け、約22万人と推定されています。
大腸ポリープ・大腸がん
大腸ポリープは、大腸管の表面の粘膜からできるイボ状の腫瘤です。
多くは腺腫と呼ばれる小さな腫瘍であり、成長すると大腸がんに進展する可能性があります。
大腸ポリープの多くは症状を引き起こさず、自覚症状がないことが一般的ですが、肛門付近にポリープが存在する場合、下痢や血便が見られることがあります。
アレルギー性胃腸炎、
乳糖不耐症
アレルギー性胃腸炎は、特定の食べ物に対して腸内で過敏反応が起こる病気です。
下痢や嘔吐などの症状が現れるほか、重症化すると呼吸困難やアナフィラキシーショックなどの症状も起こることがあります。 乳糖不耐症は、小腸内の乳糖を分解する酵素であるラクターゼの不足により、乳糖が適切に消化されずに下痢、腹痛、腹部の膨満感などの症状が現れる疾患です。この病気は先天性の原因または腸炎などによるダメージによって引き起こされることがあります。
下痢にならないために
ストレス解消
ストレスによって自律神経が乱れ、下痢が引き起こされることがあります。
適度な休息と規則正しい生活を心がけることが重要です。
また、過敏性腸症候群などの病気の可能性もあるため、症状が持続する場合は医師に相談しましょう。
節煙・禁煙
ニコチンは腸の運動を促進するため、下痢の原因となります。
喫煙者の方で下痢の症状が改善されない場合は、タバコの本数を減らしたり、症状が収まるまで禁煙しましょう。
定期的な検査
大腸ポリープは、自覚症状として下痢や血便が現れることがありますが、放置すると大腸がんに進展する可能性があります。定期的な大腸カメラ検査を受けることで早期発見と早期治療が可能となります。